‘東京0区’ カテゴリーのアーカイブ

セカンドライフはなにでできているか

2008 年 4 月 25 日 金曜日

セカンドライフとは実際どういうものなのか。なにでできていて、誰が居て、なにが可能なのか。今回はそのあたりを調べつつ書いてみます。

【自分・他人】 → アバター

左がスタート直後のアバターのひとつ、右がカスタマイズした僕のアバターです。

まず何をするにもアバターがないと話になりません。世界を見るための視点であるカメラもアバターに追従しますし、自分の存在を他人に知らせるためにも必須です。近づいてチャット、ボイスチャットによる会話やアニメーションによる身振り手振り、表情などでコミュニケーションがとれます。

また身体・衣服などのカスタマイズもかなり細かく可能で、最初は左の写真のようなアバターにがっかりしますが(笑)、自分の好きな姿に作りこむほど愛着が湧いてきます。愛着あるアバターでファッションを楽しんだり、友達と一緒にカフェで語り合ったり、落ち着ける音楽の流れる海辺でのんびりと過ごす。まるでその空間に自分がいるのではないかという一体感のようなものを感じることができます。

前回の記事 アバターの普及 でも触れましたが、アバターは文字だけでも一枚の画像でもなく僕らの人としての姿に近いものとして在るので、より一体感が生まれやすいのかもしれません。

中にはこういうアバターもありますが(笑)

【空・海・大地】 → SIM

セカンドライフは全てのコンテンツをユーザーが創っていると言われますが、唯一形あるものとして運営会社リンデンラボが提供するものがSIM(Simulatorの略)です。

画像は最近よく居させてもらっているKadokawa 2 SIMのとある場所。生えている木はプリムですが、他は届きたてのSIMと雰囲気が似ていたので撮ってみました。

セカンドライフの世界は、このSIMという島(言い換えるとサーバー)が集まってできています。公式を見た限り4月のSIM総数は14,000ほど(おそらくリンデンラボ直轄の島・メインランド群は含んでいませんが)

256m×256m=65,536sq(平方)mのなにもない大地が広がり、島のまわりは海です。SIMオーナーではないので聞いた話ですが、SIMオーナーが設定した基準面より地面を下げると水が湧き出し写真のような川になります。上にはほぼ無制限に空間がありますが、現状のビューアーだと上空768m以上にプリムを置くことはできないので、256m×256m×768m=50,331,648cu(立方)m≒約5000万立方メートルの空間ですね、って体積にしてもピンとこないですね(笑) すでに正式ビューアー適用直前テスト版のビューアー・RC(ReleaseCandidate)版では4,000mくらいまでプリムが置けるので上空の限界が引きあがるのも時間の問題かもしれません。

空と海はWindLightという技術で写真のようにかなり綺麗に描画されています。PCスペックは高いものが要求されますが、最近のグラフィックボード搭載PCであれば問題なく見れるでしょうね。

【物体】 → プリム

セカンドライフにおけるほぼ全ての物体はプリム(Primitiveの略)でできています。

上の画像がセカンドライフにおける全種類のプリムです。といってもこの形にしか物を作れないわけではなく、これはあくまで基本形状です。ボックス・シリンダー・プリズム・球・トーラス・チューブ・リングの基本形状に加え、右下のリンゴ(っぽい)プリムがスカルプチャプリムと呼ばれる単体で複雑な形状が作れるプリムです。

ボックス型だけでも、左の画像のように切り欠き、くり抜き、ねじり、テーパー、傾斜などができます。最小サイズは豆粒のようなサイズから最大サイズは10mまで1プリムで表現可能です。またこれら単体のプリムを組み合わせ一体化することをリンクといって、リンクされたプリムをオブジェクトと言います。1オブジェクトは基本255プリムまで含むことができ、このオブジェクトによってセカンドライフの大半の物(アバターの立体的な服・髪の毛・靴やアクセサリー、建物、自然、生き物、乗り物、武器・兵器、食べ物など)は作られています。

そしてそれらプリム・オブジェクトに、よりリアル感をもらたすのがテクスチャです。

画像にあるのはどれもボックスや球形のプリムですが、テクスチャという表面画像を貼り付けると途端にリアル感が増します。プリムの透過もできるので、左下のプリムのように透けさせればガラスのようにもなります。オブジェクトとテクスチャを組み合わせると、果てしない表現が可能です。

アバターの肌や服もこのテクスチャによって表現されていて、まったく同じシェイプ(体型)でもスキン(肌のテクスチャ)を変えるだけで別人のようになることができます。

これらがセカンドライフを“静的”に構成する要素です。

他にも、光の表現や柔らかさのあるプリム、アバターを自在に動かすアニメーション、オブジェクトにあらゆる機能をもたせるスクリプト、音楽やサウンドなどがあり、さらに現実味のある(あるいは現実にはありえない)表現の世界を深めています。

こうやって考えてみると、セカンドライフを構成しているものは複雑ですね。これは一度に書ききれなそうなので、シリーズとしてまた書きます(笑)

東京0区とは

2008 年 4 月 13 日 日曜日

日本のメタバースも続々と登場していますが、その中でもSBI Beyondが運営する東京0区は特徴的です。

  • 現実の金融とリンクする仮想通貨の発行
  • コスト0の送金システムの提供
  • STUDIO 4℃と協力したエンターテインメント性の高い仮想世界の構築

SBI Robo CEOの渡部薫さんのブログや東京0区のテーマを色々と拝見しましたが、基本的な考え方としてWebやメタバースを一つのサービスとしてではなく、社会として捉えている印象でした。

渡部さんのブログでGoogleについて様々語られていますが、たしかにGoogleはWebという経済圏を手中に収めました。10年ほど前は文字だらけで、企業サイトはカタログの代わりだろうと言われ、個人サイトはおそらく僅かなものでした。そう、その数が僅かなのかすら、検索がまだ本格的ではなかった当時はリンクを辿るのがページを探す唯一の手段であり、把握しようがなかったわけです。ましてやこれが一大経済圏になるとは大半の人が予想していなかったでしょう。もちろん、僕も。

そして今セカンドライフが仮想通貨=現実の$(ドル)という目に見える形で、経済圏を築きました。他のメタバースや一部のMMOでも現実のお金とリンクする仕組みが増えてきています。現実の社会を見ても、ポイント制、Suica・Pasmo、携帯クレジットなど金銭の仮想化が進んでいます。現実と仮想それぞれの通貨が歩み寄りを始めているのです。

メタバースとはなにかでも触れましたが、僕はメタバースが真の意味でメタバースたるものになったとき、それは現実との融合を意味すると考えています。「メタバース」と改めて区切る必要がなくなってしまうくらいに。そして、そうなっていく過程で重要なこと、それが経済です。経済とはなにも単純なお金の流れや集まりを意味するわけではなくて、「頑張って物事を成した人には報酬を」「今日の生活を支えてくれた人に感謝を」という、人が人らしくあるために必要な仕組みだと思います。

僕が知りうる限り、日本で経済社会としてのメタバースを作ろうとしているのは東京0区だけ。

簡単なことではないと思いますが、この課題に挑もうとしている東京0区に期待しています。

東京0区